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メッセージ

(中学・高校生のみなさんへ)
 いま、あなたは進路を決定するという人生でも重要な時期で、自分でも情報収集を行っているところだと思います。大きな希望とともに、焦りも、不安もあるでしょう。特に「トレーナー」に関する情報は、まだ非常に限られたものでしかありません。この資料は少し難しいかもしれませんが、トレーナーに関する状況を知るためには役に立つと思います(少し時間が経って、現在の状況と少し違っている文章もあります)。納得のいく進路決定ができるよう、応援しています。

(親御さんへ)
 「将来、トレーナーになるんだ」と言い出したお子さんに戸惑っていらっしゃるかもしれません。そもそも、トレーナーという仕事の内容すら、よく分からないのではないでしょうか。

 トレーナーの仕事は、スポーツ選手が、100%の力で、かつ安全に競技に集中できるように手助けする仕事です。その中にはケガを予防するための筋力トレーニングもあれば、テーピングを巻くこと、選手への教育も含まれます。あるいは、アイシングといって、氷をビニール袋に入れて当てたりもします。もし選手がケガをした場合には、応急処置をして、医者にみせ、リハビリテーションから競技復帰まで手助けします。復帰後、ケガの再発予防のためにさまざまな手段をとります。そういった、スポーツ選手の安全管理をする仕事が、お子さんがなりたいと願っているトレーナーという仕事なのです。

 心配なのは就職の問題かもしれません。ご存知のように、日本の経済はこのところ芳しくなく、企業スポーツにおいては次々と廃部・休部という状況です。チームにつく専業的なトレーナーという職業は非常に難関である事も事実です。しかしながら、私は、大学で教えている立場として、トレーナーに関する教養は、将来どのような職業についたとしても役に立つと思います。スポーツの現場で、チーム内(監督、コーチ、チームドクター、マネジャー、そしてトレーナー)での意思疎通を密に行わなくてはならない環境、そして試合日程などを見据えたリハビリテーション計画の策定と実行、チームメートを思いやる気持ちなど、将来なくてはならない資質を育てるのにこれほど適した学問はないと思います。

 ここに提供する資料を、ぜひお子さんと共にお読みいただいて、十分に話し合って進路を決定していただく一助となれば幸いです。

(進路指導、体育担当の先生方へ)
 生徒から、「トレーナーになりたいんですけど、どの大学を目指したらよいのでしょうか?」と相談されて困った経験があるのではないでしょうか。トレーナーという仕事は、単にマッサージをしたりハリ治療を行うだけではなく、スポーツ選手が健康に、そして安全に100%の力を競技に発揮できるように手助けする仕事です。

 ここに提供する論文・書籍情報は、過去に私が執筆したトレーナーに関する文章をまとめたものです。トレーナーを取り巻く環境や就職などの状況を捉えることができると思います。内容は執筆当時のもので、現在とは状況が異なる場合もありますが、お読みいただくことによって、進路決定のアドバイスをする際に手助けになれば幸いです。

山本 利春



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