リカバリー

SAGE ROUNTREE 著、山本利春 監訳、太田千尋 笠原政志 Aviva L.E. Smith Ueno 訳、発行日:2013年4月発行、2,940円(本体2,800円+税)、出版社:ナップ、ISBN978-4-905168-22-5

訳者序

はじめに

謝辞

PARTⅠ リカバリーの定義と測定

1 なぜリカバリーが大切なのか
2 オーバートレーニングを回避する
3 リカバリーを測定する
4 リカバリーの定量的な評価
5 ケガと病気からのリカバリー

PARTⅡ リカバリーテクニック

6 アクティブ・リカバリー
7 ストレスの解消
8 睡眠
9 栄養と水分補給
10 サプリメント
11 冷却療法と温熱療法
12 セルフリカバリー法
13 リカバリーのために用いる機器
14 マッサージ
15 セルフ・マッサージ
16 リカバリーに役立つヨガ
17 瞑想と呼吸

PARTⅢ リカバリー・プロトコル

18 まとめ
19 ショート・ディスタンス・トレーニングとレースからのリカバリー

付録A トレーニングへの復帰
付録B リカバリーまでの日数


訳者序

スポーツやトレーニングを行った後に生じる疲労を、すぐに取り除ける。もしもそんな魔法があったならば、どんなに高価であっても飛びつくコーチや選手は多いのではないでしょうか。それは日々仕事にあけくれるビジネスマンから家事に追われる家庭の主婦などの日常生活においてもきっと同じことでしょう。

試合や日々の練習を山登りに例えるなら、苦労なく山の頂上に到達することはありません。目標を立てそれを目指しゴールした喜びは、達成しなければ味わえないのです。負荷を高めて強度のある運動を行い、それに伴って生じた疲労を取り除きさらに負荷や強度を高めていく。パフォーマンスを最大限に発揮するためには、また、オーバーユースやオーバートレーニングを予防するためにも運動後の積極的な疲労回復は重要です。

近年では、練習直後に軽運動やストレッチングを中心にクールダウンが普及していますが、競技によって運動様式や時間、環境が異なり、その効果を高めるにはリカバリーの手段を適切に選択する必要があります。疲労は、運動刺激の違いや環境、あるいは体力レベルなどによって異なって現れます。また、その程度や状態も個人差が生じることも多いと言えます。そのため、現在奨励されているリカバリーの方法を、より科学的な情報をもとに自分自身の状況に応じて選択し、調節したりすることで、疲労を速やかに取り除き、回復させることが、あなたにとってよりよいコンディションを維持することにつながるはずです。

本書では、リカバリーを客観的、主観的に評価し、その方法を適切に利用することの知識や、リカバリーの方法と種類、特徴、疲労状況に応じたリカバリー方法の選択についてなど、これまでの国内の書物には見ることのできなかったリカバリーに関する多くの知見が満載です。

自らのパフォーマンスを向上させる最も近道を探すことは、その時々の自分に合ったリカバリー方法をいち早く見つけることでしょう。

本書はそんな魔法を見つけるきっかけになるかも知れません。  

2013年4月

訳者を代表して 山本利春