臨床スポーツ医学 臨時増刊号

スポーツ損傷予防と競技復帰のためのコンディショニング技術ガイド

企画・編集:山本利春、発行日:2011年11月1日、出版社:文光堂

Ⅰ.コンディショニングの概要

1.スポーツ医学領域におけるコンディショニング
2.スポーツ傷害の発症要因とコンディショニングの教育
3.スポーツ現場におけるコンディショニングの必要性と医科学スタッフの役割
4.医学的診断・治療に有用なコンディショニング関連情報
・上肢
・体幹
・下肢

Ⅱ.コンディショニングの評価とその活用-具体的な評価手段とその応用-

1.下肢筋力
・器具を用いた筋力評価法
・器具を用いない筋力評価法
2.上肢筋力
・器具を用いた筋力評価法
・器具を用いない筋力評価法
3.体幹筋力
・器具を用いた筋力評価法
・器具を用いない筋力評価法
4.身体組成
5.柔軟性
・下肢
・上肢
6.関節弛緩性
7.アライメント
・静的アライメント
・動的アライメント
8.ファンクショナルテスト
9.画像による動作分析
・投球動作
・ジャンプ着地、ステップ動作
・コンタクト動作
10.心拍数・心拍変動
11.唾液
12.MRI・MRS
13.栄養摂取状況
14.メンタルコンディショニング

Ⅲ.コンディショニングに用いる手法-損傷予防と競技復帰に向けて-

1.筋力強化
・再受傷予防
・競技復帰
2.ストレッチング
・各種ストレッチング方法と適応
・目的別、部位別の肢位選択
3.マッサージ
4.アイシング
5.テーピング
・スポーツテーピング
・キネシオテーピング
6.物理療法
7.鍼灸
8.アクアコンディショニング
9.ウォーミングアップ・クーリングダウン
10.スタビライゼーション
11.ジェットラグ対策
12.サプリメントの活用法
13.暑熱環境対策
14.女性アスリートへの対応
15.コンディショニンググッズの活用

Ⅳ.競技特性に応じたコンディショニング

1.スピードスケート
2.スキー
3.陸上競技
4.水泳競技
5.サッカー
6.ラグビー
7.アメリカンフットボール
8.バスケットボール
9.バレーボール
10.野球
11.テニス
12.体操競技
13.柔道
14.剣道
15.レスリング



Ⅴ.コンディショニングの管理システム

1.新入生メディカルチェック&リコンディショニングシステム
2.選手村外サポートハウス
3.メンタル面強化のサポートシステム
4.栄養サポートシステム
5.国体におけるスポーツ医科学サポートシステム
6.スポーツ損傷予防プログラム
7.代表チームの国際大会に向けてのコンディショニング
8.所属チームのデイリーチェック


企画にあたって

 近年、スポーツ選手の競技力向上、あるいは傷害予防をスポーツ医科学的に支援することの必要性が叫ばれています。選手のコンディションを最良な状態に保つためには、選手自身やコーチが最大の努力をすることはいうまでもありません。しかし、近年の競技レベルの高度化、競技環境(施設・用具など)の変化、スポーツ医科学の発展が進む中、選手自身やコーチがトータルなコンディショニングの管理を片手間に行なえる範疇ではなくなってきています。このような背景の中で、選手の競技能力(体力・技術・才能・素質など)をよりいっそう高めるためのポジティブな面のコンディショニングに併せて、選手の外傷・障害・疾病・疲労などのような、競技成績に対するネガティブな影響をできる限り少なくするためのコンディショニングを、スポーツ医科学分野の専門家(アスレティックトレーナー、ドクター、科学者、栄養士、メンタルコーチ、理学療法士等)が関与、協力連携して実施していく必要性が高まってきたといえます。したがって、スポーツ医科学分野の専門家は、選手のコンディションを最良の状態にするための環境をつくる、スポーツ現場のコーディネーターとして、スポーツ医科学の研究成果を活かすべく、様々なスポーツ医科学の領域に精通していることが望まれます。

 本書はそのようなコンディショニングの実践に必要な様々な考え方や情報を多角的に整理し、競技現場で行われている各種コンディショニングの評価・手法を中心に、その活用方法を広く収載し、実際のスポーツ現場で活躍をされている専門家の方々に解説をお願いしました。内容的にも国内で行われているコンディショニングの最新情報が満載された類を見ない専門書になったと思います。競技現場でのスポーツ医科学サポート活動に関わる全ての方々の必携本として、多くの方々に活用されることを願っています。

2011年10月
 国際武道大学体育学部スポーツトレーナー学科 山本利春


赤字は山本担当分(共著を含む)。