公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト(8)救急処置

日本体育協会 編、2007年発行

A.救急処置の基本的知識

@ 救急処置の重要性

1.救急処置の意
2.スポーツ現場におけるアスレティックトレーナーの役割

A 救急処置実施者の心得

1.救急処置の範囲
2.アスレティックトレーナー(ファーストエイダー)の責務(守るべきこと)

B 救急処置の基本的留意点

1.救急処置に必要な基礎知識
2.救急処置の基本事項
  a. 観察
  b. 体位
  c. 傷病者への接し方
  d. 感染対策
  e. 協力者の要請,連絡,通報
  f. 記録

B.スポーツ現場における応急処置

@ スポーツ現場における救急処置を学ぶ

A 事故時の緊急対応計画と評価手順(フローチャート)

1.スポーツ現場における救急処置の定義と業務内容
2.緊急対応計画
3.評価手順(フローチャート)

B スポーツ現場での外傷、障害の評価と手順

1.外傷,障害の評価の意義
2.スポーツ現場での評価手順
  a. 第 1 次評価(緊急性の判断)
  b. 第 2 次評価(外傷,障害についての情報収集)
  c. グランド上評価の記録

C.外傷時の救急処置

@ 皮膚などに傷のないけがの処置

1.RICE 処置の重要性
  a. 外傷とは
  b. 炎症とは
  c. 組織の損傷
  d. アイシングの効果
  e. RICE 処置とは
  f. RICE 処置の実際(準備)
2.RICE 処置の留意点
  a. 冷却媒体
  b. 冷却時間
  c. 凍傷
  d. 湿布薬の使用
  e. コールドスプレーの使用
  f. 日常生活での注意
  g. アイシングの適応にならない人
3.RICE 処置の具体的方法(部位別,疾患別等)
  a. 足関節
  b. 膝関節
  c. 大腿部
  d. 下腿部,アキレス健
  e. 腰背部
  f. 肩関節
  g. その他
4.その他の応用方法,特殊なケース
  a. アイスバス
  b. アイスマッサージ
  c. アイシングシステム

A 皮膚などに傷のあるけがの処置

1.皮膚などに傷のあるけがの種類と危険性
  a. 創傷の種類
2.出血の種類と止血処置
  a. 出血の種類
3.止血の方法と実際
  a. 止血法
  b. 止血法の種類
  c. 創傷部の止血と治癒のメカニズム
  d. 創傷の処置
4.感染の防止(洗浄,消毒,患部の保護)
5.アスレティックトレーナー自身のリスク管理

B 特殊な外傷の救急処置

1.筋けいれん
  a. こむら返り
  b. 肉ばなれ
  c. 筋挫傷
2.熱傷(やけど)
  a. 概要
  b. 病態
  c. 熱傷面積と重症度の判断
  d. 応急処置
3.日焼け(サンバーン)
  a. 概要
  b. 病態
  c. 応急処置
  d. 医療機関受診の適応とそれまでの処置,注意
  e. 予防法
4.凍傷
  a. 概要
  b. 病態
  c. 症状
  d. 応急処置
  e. 予防
5.眼の外傷,トラブル
  a. 眼部打撲(眼窩底骨折)
  b. 異物の混入
  c. コンタクトレンズ障害
  d. 雪目
6.植物による被害
  a. ウルシにかぶれた場合
  b. イラクサにかぶれた場合
  c. その他
7.動物による被害
  a. へビに咬まれた場合
  b. 動物に襲われた場合
  c. 虫に刺された場合
8.擦り傷,切り傷,刺し傷等
  a. 擦り傷
  b. 切り傷
  c. 指の切断
  d. 刺し傷
9.落雷
  a. 概要
  b. 病態
  c. 応急処置
  d. 予防
  e. 医療機関受診の適応とそれまでの処置,注意
  f. 被雷して意識がある場合
10.一酸化炭素中毒( CO 中毒)
  a. 概要
  b. 病態
  c. 症状
  d. 応急処置

C 患部の固定法

1.患部固定の意義
  a. スポーツ外傷の対処法としての患部固定
  b. スポーツ現場での固定処置
  c. スポーツ現場での固定処置の目的
  d. 固定資器材の準備
2.固定法の具体的な方法と実際
  a. 各部位の基本的な固定法
  b. 包帯法
  c. 応用副子やシーネを用いた固定法
  d. 器具を用いた固定法
  e. テーピングを用いた固定法

D 運搬法(選手の移動)

1.運搬(移動)時の留意点
  a. 確認
  b. 計画
  c. 行動
2.各種運搬法
  a. 少人数で運ぶ方法( 1〜3 人)
  b. 比較的大人数で運ぶ方法
  c. 担架,バックボードで運ぶ方法
  d. 水中での(からの)搬送


D.緊急時の救命処置

@ 心肺蘇生法

1.心肺蘇生法の意義
2.心肺蘇生法の必要性と基礎知識
  a. 心臓の生理学
  b. 心停止
3.心肺蘇生法の実際
  a. 観察と安全確認
  b. 気道確認
  c. 人工呼吸
  d. 胸骨圧迫
  e. AED の使用
  f. 2 次救命処置( ACLS )との連携
  g. 気道内異物の除去法
  h. 子どもの 1 次救命処置
  i. 溺水時の心肺蘇生法
  j. 心肺蘇生法を中止してよい場合

A 頭頚部.脊椎外傷時の救急処置

1.頭部外傷の救急処置の留意点
  a. 頭部外傷の起こる受傷機転
  b. 頭頚部外傷の発生頻度
  c. 倒れた場合の取り扱いかた
2.頭部外傷の救急処置の実際
  a. 緊急性,重症度の評価と処置
  b. スポーツ現場での脳震盪の評価
  c. 運動続行の判断と経過観察
3.頚部外傷(脊椎外傷を含む)の救急処置の留意点
  a. 四肢麻庫の有無と原因
  b. 頚椎の解剖
4.頚部外傷(脊椎外傷を含む)の救急処置の実際
  a. 緊急性,重症度の評価と処置
  b. 現場における頭頚部外傷の判定方法
  c. 緊急性,重症度の評価と処置および運動続行の判断と経過観察
5.頭頚部・脊椎外傷時の現場における応急処置の実際―コンタクトスポーツのフィールドから
  a. 現場に駆けつけるときのリーダーの心構え
  b. 現場での応急処置の実際
  c. 神経系テストの活用
  d. しばらく様子をみる場合
  e. 異常がない場合
  f. 帰宅時および帰宅後
  g. 実際に起こったケースから
  h . 処置の実際

E.内科的疾患の救急処置

@ 暑熱による障害(熱中症)

1.熱中症とは
2.熱中症の分類
  a . 軽症(熱けいれん,熱失神)
  b. 中等症(熱疲労)
  c. 重症ぐ熱射病)
3.熱中症への対処
  a. 熱い環境で運動中に様子がおかしくなったら
  b. 意識およびバイタルサインの確認
  c. 通報,搬送,伝達
  d. 安静,冷却
  e. 体位
  f. 水分,塩分の補給
4.熱中症の予防

A 寒冷による障害

1.低体温
  a. 低体温のメカニズム
  b. 低体温の病態と症状
  c. 低体温の観察,判断と対処
2.凍傷
  a. 凍傷の病態と症状
  b. 現場でできる対処

B 過換気状態

1.過換気の原因と結果
2.過換気症候群
3.過換気症候群の症状
4.過換気状態への対処

C ショック

1.ショックとは
2.ショックの一般症状
3.ショックの病態と原因
  a. 心拍出量の低下によるもの
  b. 血管抵抗の低下によるもの
4.状況の把握
  a. ショック状態観察のポイント
  b. 出血について
  c. 病歴の把握
  d. 発症の状況
5.ショック状態への対処
  a. 気道の確保
  b. 体位
  c. 保温
6.ショックの予防

D その他(スポーツでよくみられる内科的疾患)

1.発熱
  a. 体温が高いときは
  b. かぜをひいているときに,スポーツに参加することについて
  c. 予防
2.頭痛
  a. 緊急性の高い頭痛
  b. 緊急性の低い頭痛
3.めまい,失神
  a. 回転性めまい
  b. 動揺性めまい
  c. 失神性めまい
4.胸痛
  a. 虚血性心疾患
  b. 胸痛が起きたら
5.呼吸困難
  a. 呼吸困難の原因
  b. 呼吸困難が起こったら
  c. 運動誘発喘息
  d. 気胸
6.腹痛
  a. 運動時にみられる腹痛
  b. 腹痛が起きたら
  c. 腹膜刺激症状
  d. 体位
7.高地環境による障害
  a. 対応

F.現場における救急体制

@ 救急体制の重要性と計画

1.スポーツ現場における救急医療体制のあり方
  a. スポーツ現場における救急医療体制の必要性
  b. スポーツ現場で求められる救命・救急処置
  c. 救急医療体制として最も考慮しなければならないこと
2.事故発生時の対応計画
  a. 各種競技種目に起こりうる傷害の把握
  b. スポーツ現場(競技会場)に対応した計画の必要性
  c. 事前準備の必要事項

A 事故発生時のフローチャート

1.事故発生時の連絡・通報手順の事前確認
  a. 最寄りの消防署の把握
  b. 119番通報時の内容
  c. 最寄りの病院,専門病院の把握
  d. 保護者への連絡
  e. チームドクターとのダイレクトコール
2.緊急時の搬送経路の確認
  a. 救急車の通路
  b. 誘導時の配慮
  c. 救急隊へ引き継ぐまでの選手の搬送経路
  d. 現場協力者への配慮および教育
3.各種スポーツ現場(競技会場)におけるフローチャート例

B 各種救急処置用器材および用品に関する知識とその利用法

1.心肺蘇生法( CPR ) 器具
  a. 開口器
  b. 舌根沈下を防ぐのに用いられる器具,器材
  c. 人工呼吸用器具
  d. 胸骨圧迫用器具
  e. 除細動時に使用する機器
2.脊柱管理器具
  a. ネックカラー
  b. バックボード
  c. スクープストレッチャー
  d. 代用品
3.モニタリング機器
  a. 血圧計
  b. パルスオキシメータ
4.固定器具・用具
  a. 陰圧式固定具(バキュームイモビライザー)
  b. ソフトシーネ,スプリント
  c. ライトスプリント(水硬性ファイバーグラススプリント)
5.体温管理器具・用品
  a. 保温用品
  b. 冷却用品

C 現場における救急体制の実際

1.競技場面(競技種目,競技場)を想定した救急体制の準備
  a. 救急チーム作り,役割分担
  b. 病院,ドクターの確保
  c. 搬送経路
  d. 救急用器材・用品の準備
  e. 防具,用具の取り扱い
  f. 選手,コーチ,マネージャーの教育

2.各競技会場におけるアスレティックトレーナー活動時の救急処置の実際
  a. 陸上競技
  b. ラグビー
  c. 器械体操


赤字は山本担当分。